黒小胴長犬物語。壱。

ブログのイラストで私の膝の上にいるワンコ。
実家の愛犬、お茶目なジミニー君のことを書くことにします。
胴も長いけど、話も尽きないので何回かに分けて書いちゃいます。

画像


彼が我が家に来たのは、もう13年前の春先。

ある日の夕暮れ時。
ふと居間でぼんやりしていた私は「犬が飼いたい」
そう思ったのです。

タウンページのペットショップの欄を開いたり、犬を飼っている友人に連絡をしたりして、犬を買う場所を探しました。
「とこんちの近くなら、表参道にあるケンネルもいいよね。」
そんな友人のアドバイスに、さっそく電話番号を調べ、何時までやっているのか尋ねました。
すると「7時までやってますよ。」
駐車場があるか尋ねると「お店の前なら停められますよ。今からみえますか?待ってますね。」

「あのぉ、ちなみに黒い犬はいますか?」
「白いのと黒いのがいますよ」

良かった。

黒いのが欲しい。これはかなり重要だ。

そう、その当時私は。ミニクーパーに乗っていおりまして「ミニクーパーの窓から黒い犬が顔覗かしてるなんてかわいいよね~」という友人Cさんの一言に「小さな黒いミニには小さな黒いワンコがお似合い。」と思い描いていた私。
出来れば小さな、アニメ「エースを狙え!」のゴエモンみたいな(ゴエモンば猫だけど)のが、窓から顔を出してドライブ。
いいなあ。
そういう感じになりたいなあ。

思い立ったが吉日。
一緒に行くと言う母を乗せて、暗くなり始めた道をミニクーパーで一路表参道のペットショップへ。

想像していたよりずっと小さなそのお店には、店番の男性と、二匹の猫と二匹の犬がいました。
ペットショップと言えば、もっと沢山犬猫が並んでいるものだと思っていた私は、この二匹のうちのどちらかで決めていいものだろうか、と思案する間もなく、私は小さな小さな黒い犬から目が離せませんでした。
二頭のうち一頭は、当時大流行中だった白いシーズー。
でも私には白いふわふわのシーズーは目に入りませんでした。
だってその黒いコは、本当に私が思い描いていた通りの、小さな黒い子犬だったのです。

小鳥を飼った事はあったけれど、我が家では、父の小さな頃に、交通事故で犬を失ってから、犬も猫も飼う事はなくすごして来ました。
それどころか、ワタクシ、小学生の頃は、近所の野良犬に追いかけられて、逃げ回った事があったくらい、犬とは縁遠い人生でした。

ところが、目の前のケージの中で動くそいつは、小さな二つのつぶらな瞳で私を見ています。

「このコはミニチュアダックスフンド。男のコですね」
「ダックスフンドですか」
「胴の長い犬種の小型です。でもミニチュアなんでそんなに大きくはなりませんよ。この犬はその中でもワイアーへアード、と言って、毛が堅くなる種類です。今は柔らかいですが、大きくなるにつれ、毛を削いで、堅い毛質にしてゆくんです。」

ミニチュアダックスフンドかぁ。
ミニチュアなんだ…。

「抱っこできますか?」
「勿論。」

ケージから私の手に降りたそのコは、手の平に乗る程の大きさで、軽くて、まるで何も抱いていないような小さな存在。
そして…
すぐに私の腕の中で眠り始めたのです。

寝た。
寝てるよぉ…
んだよぉ
可愛いじゃないかぁ。ぁぁぁぁっ。


…ああぁあぁん、連れて帰りたいぃぃぃっ。


だめだめ、これは衝動的過ぎです。二匹のうちの一匹なんて選択は後で後悔します。
でも直感を信じて飼うべきかもしれない。
だってこいつ、心のどこを探っても私の答えは「可愛い。大好き」しかないもの。
いやいや、命をこんな風に簡単に預かっちゃ駄目だ。責任持てるのか私。
でもこれは偶然ではなく巡り合わせに感じるよ。
でもでも、欲求のまま動くなんていけません。可愛い、だけでは育てられないです。
でもねえ二の足を踏み過ぎるのもどうかなあ。思うことを実行すること、直感で動くのも時にはいいことなんじゃないかなぁ。
この欲望は罪じゃないでしょう…
気持ちの赴くままをしてみようよ。
え~でもぉ
だから…
いいんだよっ
そうだ。いいんだよ。

葛藤かっとー葛藤ぉぉぉっ


「このコを連れて帰りますっ」

この唐突な決断に、「犬を飼うのが初めてだ」と話す私達を説得しようとあれこれ思案していたお店の方も、話を聞いて「飼育は容易いものではない」と思案していた母もびっくりしてこちらを見た。
母は「まずパパに電話してからにしましょうよ。」

電話口で父は「今日は取りあえず帰ってきなさい」
そう言われたら、今までの私は「はい」と言っていたけれど。
私は「連れて帰るから。私が、飼うんだから。連れて帰ります」もういい大人ですから私。
それでも父はまだ「駄目だよ」と強く言ったけれど「とにかく連れて帰ります」と私。
言った。
言ったぞ。

父「…好きにしろ」
低く言い放った父。

言った。
言った言ったっ。

私「はいっ。じゃあ後でね。」

ケージや、フード、器やベッド、ペットシーツに玩具におやつ。
お店の方に言われるままに一揃え買い込み、まだ生まれて間もない黒いワンコは、母の腕に抱っこされながら、すやすや眠ったまま、小さな黒いミニクーパーで我が家までやって来たのでした。

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